THE LOT.がスポンサーを務めるSTAR RIZE RACING。
現在参戦しておりますPorsche Carrera Cup Japan 岡山 Rd2 / Rd3。
前回に続き、今回も“タイヤ”について少し分かりやすくお話したいと思います。
皆様、
「新品タイヤ=最初から最強グリップ」
だと思っていませんか?
実はこれ、半分正解で半分不正解なのです。
レース用タイヤでも市販タイヤでも、
新品タイヤは最初かなり神経を使います。
なぜか。
それはタイヤ表面に“油膜”のようなものが残っているからです。
タイヤは製造時、金型から剥がしやすくするために離型剤などが使用されます。
その影響で、完全なグリップ状態ではないことがあります。
つまり、
新品だからといって、最初から100%グリップするわけではないのです。
レースでは、この“一皮むける”までが本当に重要。
慎重にタイヤへ熱を入れ、表面を馴染ませ、適正な状態へ持っていきます。
タイヤが適正温度へ入り、
さらに内圧も狙った数値になってくる。
そして表面の油膜が取れてくる。
この状態になると、
タイヤは一気に本来のグリップ力を発揮します。
コーナーで曲がる。
ブレーキで止まる。
アクセルを踏んでも逃げない。
まさに“タイヤが路面に張り付く”感覚です。
ドライバー達はこの“おいしい状態”をできるだけ長く使うために戦っています。
当然ながら、
タイヤは走れば走るほど摩耗していきます。
熱が入り続けることでゴムも疲労していきます。
すると少しずつグリップ力が低下していくのです。
つまりタイヤには、
“最もおいしい瞬間”
が存在します。
レースでは、そのピークをどこで使うかが非常に重要。
予選なのか。
決勝序盤なのか。
最後のアタックなのか。
この判断がレース結果を左右します。
では中古タイヤ(スクラブタイヤ)はどうでしょうか。
中古タイヤは一度熱が入り、表面の油膜もすでに除去されています。
そのため、
新品タイヤのような“初期の滑りやすさ”は少ないです。
しかし当然ながら、
既に消耗しているタイヤになります。
つまり“最強グリップゾーン”が短いことも多いのです。
最初からある程度グリップはする。
でもピークは短い。
だからこそ中古タイヤにも扱い方があります。
さらに難しいのは、
タイヤは周囲の環境によっても大きく変化すること。
例えば、
気温。
路面温度。
時間帯。
天候。
気圧。
路面コンディション。
そしてピットインのタイミング。
全てがタイヤへ影響します。
晴れていたのに突然曇るだけでも、
タイヤ温度は変わります。
路面温度が数℃違うだけでも、
フィーリングは大きく変化します。
だからこそレースエンジニアやドライバーは、常にタイヤと向き合っています。
レース中、
最初から全開で攻めるのか。
タイヤを守りながら後半勝負にするのか。
これも戦略の一つです。
タイヤを使いすぎれば後半苦しくなる。
でも温存しすぎれば前へ行けない。
その絶妙なバランスを探り続ける。
だからレースは奥深いのです。
車を速く走らせるのはエンジンだけではありません。
たった4本のタイヤをどう使うか。
そこにプロの世界があります。
次回も引き続き、Carrera Cupの世界を分かりやすくご紹介してまいります。
ぜひお楽しみに。